粉瘤(皮膚のできもの)と治療の流れ:当日手術希望の方は事前にご連絡ください☺
形成外科の宇都宮裕己です。
一般形成外科で一番数が多い手術は良性のできものの切除です。
具体的には粉瘤、脂肪腫、ほくろ(良性)などが大半を占めさらにこの中でも多いのが粉瘤です。
見た目はこんな感じです
典型的なものだと、青矢印で記したようにコメドといわれる穴があり、できものを押すとここから臭くてやや黄色みがかった物質がでてきます。
じゃあ押し出しすと治るのかというと治りません。またたまります。周りの袋をとるしかありません。
ほっておいても悪性化する可能性はほぼありませんが、膿んでしまったり大きくなってくると傷も大きくなってしまいます。
膿んでしまった粉瘤はこうなります。
こうなると痛いですし、膿みとできものが混ざり合っているので、粉瘤本体がわかりにくくなるのでこの段階ではとることはできません。切開して膿を出して、感染を落ち着かしてから切除という流れになります。
また放置しておいた場合、すごく大きくなってくる場合があります。
すこし大きさがわかりにくいですが、この粉瘤は赤ちゃんの頭くらいあります。
こうなってくるととるのに傷が大きくなってしまいます。
粉瘤かどうかは見た目でもわかるのですが、コメドがない場合で特に図3くらい大きいと脂肪腫と迷う場合があるのと、どのくらいの深さまで至っているのかや被膜の形を知るのには超音波が有用です。
典型的には図のように中が黒っぽくて、できものの下が白っぽくなっています。
膿んでなくて、見た目や超音波などでこれは粉瘤ですねってなった場合希望あれば手術ということになります。
診断
↓
採血
↓
手術
という流れです。
手術ですが
点線で囲っているのができものの範囲です。実線が皮膚の切り方です。
粉瘤の膜に沿って剥がしていきます
ちなみ図3のおおきい粉瘤の術中写真はこちらです(苦手な人はクリックしないでください)
大きいですがこの程度であれば局所麻酔、日帰りで可能です。
とれたものがこちらです(苦手な人はクリックしないでください)
大きい粉瘤はこちら。
あとはきれいに縫合して終了となります。
この紡錘形に切り取る手術の他に、小さく穴をあけて穴から被膜を取り出すくり抜き法といわれる手術があります。
場合によってそちらの方が傷が目立たなくなりますが粉瘤の状態によっては被膜が残り再発率が通常の手術より高くなります。
粉瘤の状態や形、体の場所などで、どちらか適している方法を用いて行います。
料金 保険適用になります。部位や大きさによって異なります。詳しくは診察時にお尋ねください。
合併症 腫れ、内出血、血種、感染、再発、傷跡など
事前に電話やLINE、メールで受診当日の手術希望とお伝えいただければ、手術枠も当日押さえてとりますので、当日手術も可能です(web予約、クリニクスアプリからでは手術枠まで確保できませんのでご注意ください、もちろん当日枠が空いていれば手術可能です)。膿んでいたり、状況によっては当日手術できない場合がありますのでご容赦ください。