耳の内出血…たまってそうなら病院へ
形成外科・美容外科の宇都宮裕己です。
開院して三ヶ月が経ちましたが、皮膚科、形成外科、美容外科ともに多くの患者さんにきていただき、感謝です。これからも地域医療の貢献をするとともに、当院ならではの満足感や水準の高い医療を提供していきたいと思っています。
今回のテーマは耳をケガした場合気を付けてほしいことです。
耳をぶつけたり、あるいはその他の原因で内出血や透明な液がたまることがあります。
こうなった場合、ほっとくとそこに溜まった液体の代わりに瘢痕(傷の後にできる硬い組織)やカルシウムが沈着してボコボコになったり、膨らんだまま固まったりします。
柔道やレスリングをされている方はしょっちゅう耳が傷ついたりしますので、そのまま上記のように治癒しますので変形されている方が多いです。柔道耳、餃子耳など呼ばれたりします。
別に命に別状はないですし、個人的にはそこまで一つのことに打ち込んでいたその人の生き方を表す勲章のようなもので、個性の一つであり、むしろリスペクトに値すると感じます。とはいえたまたま怪我をした人だったり、元の耳の形を保ちたい人には治療が必要です。そうしたいと思う人の気持ちもわかりますし、もっと重要なのは瘢痕やカルシウムが沈着してしまうと後から直そうと思うとより大変になるという点にもあります。
具体的な治療は中の液体(血や浸出液)を抜きあるいは小切開し、再び中に液体がたまらないようにボルスター固定と言われる圧迫を行います。
ガーゼや綿球のようなもの→耳→ガーゼや綿球のようなもの
という形でサンドイッチのように固定します。
ここでキツすぎると褥瘡(床ずれ)ができますし、ゆるすぎると再び溜まりますので加減が重要です。
大体5-7日後に除去し、その後溜まってないかチェックします。
術後1W ↑溜まっておりません。
耳のけが、またはよくわからないけど何か溜まっている
このような場合形成外科までご相談ください。保険適用となります。
(すでになってしまった柔道耳や餃子耳に関しては自費になる可能性が高いです、一度診察にいらしてください)