形成外科症例 逆さまつげの治療
形成外科医の宇都宮裕己です。
今回は下眼瞼内反(加齢によって起こる逆さまつげ)の治療についてお話します。
まつげは本来は外をむいていますが、加齢によってまぶたが外に反り返る力が弱まったり、たるみが生じると内側にまつげが向いてしまって、目を傷つけてしまいます。逆さまつげは子供や若い方でもなっている方はいるのですが、原因がすこし異なります。ざっくりというと若い人はまつげの向きだけが内向きで、加齢によるものではまぶた自体が内にまくれこんでいる状況です。
上の写真の方も術前(左側)ではまぶたが内側にまくれこんでまつ毛がまったくみえない状況です。
治療はというと、下まぶたを下や外に反り返らせるようにはたらく筋膜(LER:lower eyelid retractors)が加齢によって緩んでしまっているので、下まぶたの皮膚を切って、LERを見つけて短くして固定しなおします。またまぶたの横方向へのたるみも内反の原因になっている場合(下まぶたが横方向に緩んでピンと張っていない状況で、LERも緩んで瞼自体が内側に回転しているような場合)には、筋肉などを引き締めてたるみを改善させます。そうすることでまぶた自体が外をむき、逆さまつげが改善されます。
こういう治療をすると、写真右側の矢印のようにまぶたが正常な位置にもどり睫毛が外に出てきます。
こういったこともやっておりますので悩んでいる方は相談にいらしてください。基本的には健康保険が適用されます。
合併症 腫れ 皮下出血 感染 血腫 外反 再発 矯正不足 結膜浮腫など
費用 健康保険適用